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【発売20周年企画コラム】メディケア食品 座談会 〈第三部〉

『 3名の栄養士が語る、変化する現場と次の20年への想い 』

 

こちらのコラムは〈第二部見て、食べて、感じたことより続きます。

 

〈第三部〉未来に向けて 〜次の20年への期待〜


【介護食を取り巻く環境の変化】

介護食を取り巻く環境は、この20年で大きく変化してきました。

現場の働き方も変化する中で、「誰でも扱える商品」の重要性が高まっています。同時に、利用者様のニーズも進化しています。

 

関先生: 「2000年の介護保険導入で、患者様やご家族の選択肢が広がったことで、食事の質、特に嚥下調整食の充実が大きなテーマになりました。見た目、味、食感、すべてにこだわりたいという要望が強くなっています」

 

栗野先生: 「うちもユニットケアになって、『生活の中の食事』っていう考え方が広がってきました。自分の親や祖父母と暮らしているかのように、その人が食べたい時に、食べたいものを、安全な形で出してあげる。レストランで『今日は何にしようか』って選ぶみたいに『今日はステーキがいいな』って言われたら、すぐにステーキ形態で出せる。そんな当たり前の食事が、介護施設でも実現できたらいいですね」

 

山口先生: 「選んで、楽しんで、普通に食べられる。それが理想です」

 


 

【Umiosへの期待】

最後に、次の20年に向けた期待を語っていただきました。

 

1.誰でも扱える商品開発

栗野先生: 「嚥下食の知識が少なくても、調理技術に差があっても扱いやすい商品があると嬉しいです。QRコードでレシピ動画が見られるとか、簡単なアレンジ方法がパッケージに書いてあるとかだと分かりやすいと思います」

関先生: 「たんぱく21シリーズ、みためがシリーズ、ひとさじのチカラのように、時代に合った商品をこれからも開発してほしいです。特に、ひとさじのチカラの高たんぱくシリーズや、ビタミンCが多い商品などがあると助かります」

 

山口先生: 「私は少量・高エネルギーの食事が欲しいです。おかゆの量が多くて食べきれない患者さんが増えているので。あと、アレルギー対応の商品や、水分補給用のお茶ゼリーとかもあったら嬉しいです」

 

栗野先生: 「あと、嗜好品のバリエーションがもっと増えるといいなって。寿司味、ピザ味、コーラ味…好きなものを選べる楽しさが、食事の質を上げると思うんです」

 

関先生・山口先生: 「いいですね!」

 

2.在宅への広がり

関先生が特に力を入れたいと考えているのが、在宅支援です。

 

関先生: 「これからは在宅で介護を続ける方が増えます。訪問看護に同行しているスタッフに聞いたところ、老々介護や食事の準備ができない家族との同居など、家族が一から介護食を作ることは難しいと伺いました。そのような時『この商品を使えばいいですよ』と具体的に提案できる、スーパーや薬局で手軽に買える、一人分の小分けサイズがあるといいなと思います」

 

3.コミュニケーションの場

3名が共通してお話しされていたのが、「情報交換の場」でした。

 

栗野先生: 「コロナ以降、展示会や勉強会が減って、情報が入ってこなくて。新人さんは『こういう商品がある』ことすら知らないんです」

関先生: 「わざわざ電話するほどじゃないけど、ちょっと聞きたいことってあるんですよね。メーカーさんとの距離が近い方がいいなと思います」

山口先生: 「あと、『この施設ではこう使っています』っていう事例共有も欲しいです。作り方は分かっても、自分の施設の食数やタイムスケジュールに落とし込めないことがあるので事例があると参考になります」

 


おわりに【共に創る、次の20年】

 

座談会を通じて見えてきたのは、食べる方の笑顔のために、それぞれの環境で進めてきた『食への挑戦』でした。

 

栗野先生: 「工場見学で、こんなに手間をかけて作られていると知りました。これからは、もっと現場の声を伝えていきたいです」

 

関先生: 「私たちも現場のことをもっと知りたいし、メーカーさんにも伝えたい。そういう双方向のコミュニケーションが取れる関係でいたいです」

山口先生: 「こういう座談会のような場を、定期的に持てるといいですね。困っていることとか、こうしたらうまくいったとか、そういう情報交換ができると嬉しいです」

 

商品提案、調理実習、事例共有—様々な形で対話を重ね、共にこれからの介護食を創っていく。めまぐるしく環境が変わる中、今後も様々なお声を伺えますと幸いです。

 


【先生方からのメッセージ】

栗野先生より

「今、導入を迷っている施設の方へ。食材が高騰している今、調理工程や作業時間を考えたら、既製品は決して高くありません。特に魚などは、切り身を買うより既製品の方がコスパがいいこともあります。まずは行事食から試してみてください。管理者には、作業効率の面を伝えると導入しやすいと思います」

 

関先生より

「食事はみんなに共通するものです。自分の大切な人に提供する気持ちで考えてみることが大切だと思います。また食事の内容を詳しく知らないご家族や上司、職員にも理解してもらえるよう、SNSなどでメニュー内容、特徴、栄養価、安全性などを認知していただくことも大事です。」

 

 

山口先生より

「手作りと既製品、どちらか  一方ではなく、両方のいいところを組み合わせることが現実的です。多職種を巻き込んで現場での信頼を築いていってください。そして、困ったことがあったら一人で抱え込まず、メーカーさんや仲間に相談することが大切だと思います」

 

 

 

 


最後に、お忙しい中、工場見学と座談会にご参加いただき、貴重なご意見をお聞かせいただいた栗野先生、関先生、山口先生に、心より感謝申し上げます。

 

企画・取材:Umios株式会社(旧 マルハニチロ株式会社)
2025年11月実施

 

〈第一部〉日常の課題と工夫の共有はこちら

〈第二部〉見て、食べて、感じたことはこちら

 

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